こんにちは。
さて、今日のお話は『「必要のない努力はやめていい」と、気づいたときの事』後半としてお伝えしています。
前編では、次のような流れで過去のストーリーを書きました。
・再就職のために簿記の勉強を始めたこと
・資格取得は就職に役立てることが出来なかったこと
・さらに上を目指して勉強したが挫折したこと
後半では、前半の続きのストーリー「別の道があることに気づき、それを選択したこと」について、ストーリーからの気づきを書いていきたいと思っています。
引き続き、お付き合いいただけると嬉しいです。
「必要のない努力はやめていい」と、気づいた時のこと(前編)
時間はかかったが、欲しかったものが手に入る
希望の光が見えたというのは、経済学か法学を履修して短期大学を卒業すれば税理士の受験資格が手に入ると言うこと。短期大学は、通学しなくても通信教育で卒業できることを知り、入学案内の資料を取り寄せました。
2年後、私は法学を履修して短期大学を卒業することができました。
受験資格を得ただけでなく、専門学校中退だった履歴書の学歴欄に、短期大学卒業と書くことができるようになったというおまけもついてきました。
履歴書を書くたびに気になっていた学歴コンプレックスも解消できたのです。
そこでやっと税理士試験の受験資格を得ることができましたが、試験を始めることも受験することもしませんでした。その時の私には、もう税理士を目指す動機も必要もなかったのです。
結局、簿記の試験に対して3回の挫折を経験してしまった私ですが、そのおかげで大きな気づきを得ることが出来ました。
最初の予定が狂っても結果オーライ
まず一つ目の気づきは、「必要のない努力は、思い切ってやめてしまっていい」ということです。
当時、1級に絶対合格すると周りに公言してしまったことで、周りの期待に応えないといけないという思い込み、それをクリアできない自分がなさけない・恥ずかしいという気持ちがありました。
合格するまで頑張らなくてはいけないと自分に言い聞かせていました。
1級の試験は年に2回受検のチャンスがありますが、学習期間が最低6ヶ月、その後試験対策の勉強に2ヶ月間かけたとして、1回目の受検で合格したとしても1年近くかかる計算です。
私の場合、独学で基礎からやり直し、4回目の受検を目指したときはすでに3年が過ぎていました。受検する度に点数が下がり、先が見えない状態は精神的にはかなりきつかったのです。
税理士試験の受験資格を得る事がこんなに大変だなんて・・。
でも、目的を果たすために他の方法があって、そちらが確実だとわかったら今までに固執する必要はないではないか。予定通りでなくていい、結果は同じなのだから。そう気づいたので「日商簿記1級合格」という目標を捨てました。
税理士試験を受けたい、その本音は?
短期大学への入学を決めてからは、精神的にはとても楽になりました。入学後は単位をとることだけに集中しました。
短期大学を卒業後、なぜ税理士試験を受けたかったのか?ということを掘り下げて考えてみると、動機としてはとても弱いことが分かりました。
税理士としてどのような仕事がしたいのか、どのような志を持って臨むのかなど全く無くて、次の3つが本音でした。
・最高峰の試験に挑戦し乗り越えてみたいという好奇心。
・女性が経済的自立を果たすためには、強力な肩書が必要。
・先生と呼ばれる立場になれば人生が輝くという思い込み。
また、私には能力的に数字を武器に収入を得ることは困難だと感じたし、適性もありませんでした。ですから、税理士試験に挑戦しなかったことは、困難から逃げたわけではなく「やりたい仕事」である経理の経験を積むほうがいいと思ったのです。
たくさん使った時間とお金、活かせる機会はある
もう一つの気づきは、その当時報われなかった努力も、時間の経過・時代の変化により、別の形で活かすことができるということです。
簿記を勉強したのは就職を有利にするためでした。でも、2級を取得したからと言ってすぐに就職に役立ったわけではありません。
ただ、のちに監査法人でのアルバイトを経て派遣社員として経理アシスタントになり、以後、就業先が変わっても比較的早く仕事を覚え、経理スタッフとして経験を積むことが出来たのは知識があったからです。
振り返れば、簿記・会計・経理やパソコンなど、事務職としての能力向上に役立つための学習には、長い時間とたくさんのお金を使ってきました。いま、経理職とは違う仕事をしているわけですが、経理的な思考ができることは、まったく無駄にはなっていません。
50歳を過ぎてからですが、現在は正社員となり、ずっと企業に勤めてきた方と比較すれば低いとはいえ、自分史上最高の時間単価で働くことができるようになったのはあの時の努力が活かされたと言えます。
さて、とても長いストーリーになってしまいましたが、これまに「お金をかけてきた」「時間をかけてきた」この2つの事には、「心から好き」「やりたい」に気づくヒントが隠れています。
それが直接「具体的な何か」に結びつかなくても、自分がやりたい仕事であるとか、人生で達成したい目的に深く関係しているのではないでしょうか。
最後に
今回は、思い出したストーリーをそのまま書いただけですが、書いた後、分析してみるとより大切なものが見えてきます。
例えば、私の今回のストーリーの場合、
・簿記を勉強すると決めた時
・勉強に取り組んでいた時
・試験に合格したとき、就職活動を始めた時
・うまくいかず他の事をしていた時
・別の方法を知って実行したとき、目的を達成できた時
このような感じで、時期を区切ってみる。
そして、自分のことだけでなく、家族や友人の反応や言葉、表情や様子なども併せて思い出してみると良いかと思います。
日常から見つけたキーワードから過去を紐解いていくという方法で、自分史を書いてみる・ことは、とてもおすすめです。
自分史の書き方や、自分史を書く目的、書いてみての気づきに正解も不正解もないので自由に書いてみませんか? 人に見せなくてもよいのです。
書いたものは保存しておき、また時間をおいて読んでみると、新たな気づきがあると思います。書いた当時の気持ちや考えていたこと、過去の自分の行動が、今抱えている悩みや課題解決につながるかもしれません。
当時の自分とは違い、人生を歩いてきた時間も増えた今、より広く高いところから自分自身を見つめることが出来るようになっている事に気づくでしょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あやのはるか
※このストーリーは、2019年6月15日に書いたものを加筆/修正しました。